特長

「ハイブリッドMAT療法」
◆NK細胞と樹状細胞の働きのWアプローチ
本来の活性化されたマクロファージは、いわゆる「NK細胞」と「樹状細胞」の両面の働きをしています。「NK細胞の働き」としては、血液中の白血球の5 %を占める単球(単核白血球)から分化し、免疫細胞の中心を担うアメーバ状の細胞で、生体内に侵入した細菌・ウイルス、また異物(がん細胞)をも貪食し消化していきます。「樹状細胞の働き」としては、抗原を摂取し、各種のサイトカインを放出し、特定のT細胞を活性化させ、分解した異物をいくつかの断片にし、もともと細胞内に持っていたクラスII MHC (MHC-II) と結合させ、細胞表面に表出させて、特異的にがんを攻撃していきます。 がんになると、本来のマクロファージの働きが弱くなっていきます。ハイブリッドMAT療法は、人間の持っているマクロファージを活性化し、自然免疫と獲得免疫の両面の働きをして、がんの克服を目指す治療です。

◆M1とM2の2つのマクロファージ
マクロファージには、2つのタイプ(M1/M2)が存在します。M1(炎症系マクロファージ)とM2(抗炎症系マクロファージ)のバランスを取っていることが正常な状態といえます。ところが、がんになると、このバランスの崩壊が起こります。マクロファージは免疫細胞として、がんと闘うのではなく、逆にがんを助けてしまう細胞(TAM)になってしまうことが示唆されています。M2マクロファージは、腫瘍随伴マクロファージ(TAM)と呼ばれ、腫瘍組織の大部分を占めると、がん細胞がさらに拡大進行し、血管新生、免疫抑制、遠隔転移浸潤などが起こってしまいます。M2型のTAMは細胞増殖因子の産生、新生血管の誘導、抗腫瘍免疫の抑制などを介して、腫瘍増殖に促進的に作用していると考えられますので、マクロファージのM2活性化を抑制することが、間接的に腫瘍増殖を抑制する効果が期待されます。

◆副作用を伴わず標準治療との併用可
この治療は、点滴と毎日の経口摂取により、免疫力を高めていきます。点滴においては、マクロファージの極性化において強いM1表現型を促進および安定化を図ります。この治療は安定して、M1とM2のバランスを調整しながら、抗がん剤、放射線のような副作用を伴わない、安全な治療が可能となります。標準治療で使う抗がん剤や放射線は、がん細胞だけ でなく正常な細胞も傷つけてしまうため、吐き気や脱毛、全身倦怠感などの副作用がでてしまうことがあります。標準治療を併用する場合は、そのタイミングが重要です。人間の持っているマクロファージを活性化し、免疫の働き(自然治癒力)を活用して、がん細胞だけを集中的に攻撃していきます。副作用の心配もほとんどなく、体に優しく、マクロファージの活性をいかに高めていくかがポイントとなる斬新ながん治療になります。

◆免疫力検査で治療効果も細胞レベルで数値化
治療前と治療後、東京医科歯科大学で開発された免疫力判定検査を実施しております。免疫力の測定には、血液を少量採血し、3~10項目のリンパ球の種類、比率、機能などを調べます。検査結果から免疫年齢も推定いたします。治療により、免疫向上の効果測定を数値化し、今後の治療方針の参考にできます。
